東日本大震災被災地支援活動報告会

東日本大震災被災地支援活動報告会

平成25年3月20日(水・祝)

 

福岡県主催「福岡県地域防災シンポジウム」(今年度:飯塚コスモスコモン)午前の部で、グラウンドワーク福岡の東日本大震災被災地支援の取組みを、トークセッション形式にて報告致しました。また、同日夜に、福岡市博多区美野島「なごみ美野島店」で、グラウンドワーク福岡の関係者向けの報告会を行いました。当日は、宮城県気仙沼市本吉町津谷大沢区より住民の方々をお招きし、① 震災当時の様子や、その後の避難、民泊方式による自主避難所の設置の対応などについてお話しいただき、その後、②福岡教育大学・井上教授と学生2人より、A)被災地住民のヒヤリング調査 と B)福島在住児童の保養事業について報告いただきました。


① 気仙沼の住民からの報告 * * * * *

まず震災当時のことに触れ、防災無線からの「想定される津波の高さは6mです。」という情報に住民の方々が油断し、避難が遅れたことを反省し(実際の高さは19.3m)、無線の放送では高さについては言及せず「大津波」とだけ繰り返して、住民の方々が個々に勝手に判断せず避難するよう促す方法を提言されました。また、民泊方式の自主避難所設置について、被災された地域の方々を、遠くの避難所ではなく地域内でお世話したいという思いで、地区の振興会が対策本部となり、震災当日の夕方には被災を免れた世帯へ各避難者の配宿を終え、それから3か月間、避難者への物資の調達や配布、通院者の送迎、罹災証明書や仮設住宅申込書の一括申請など、あらゆる面で避難所生活を支えたとのこと。これも、振興会の30年の活動の積み重ねがあったことで、しっかりした協力体制を築けたのだとお話しされていました。また、震災後はプロパンガスや古井戸があったことで、調理・炊飯が可能となり役立ったと話され、これら避難所生活の工夫や苦労話、備えの話は福岡に住む私たちにとっても大変参考となるものでした。


②福岡教育大の学生からの報告 * * * * *

A)被災地住民のヒアリング調査      初めに、気仙沼の住民にヒヤリング調査を行った際に印象に残ったことを報告いただきました。震災で家族や知り合いを亡くされたり、仕事場が流され職を失ったり、家を失い避難所暮らしでストレスを抱えるなど、お話しを伺った方々はそれぞれ大変な思いをされていらっしゃいました。一番印象に残っているのは、震災で母親を亡くし祖父母と生活をしている子どものことで、その子は母親が亡くなったという認識がなく、直後はずっと「お母さんが見える」と話していたそうです。祖母は、急に孫を引き取りお世話することに最初は戸惑いがあったこと、今後その子が強く生きていけるよう育てていきたいという胸の内を率直にお話しいただきました。

B)福島在住児童の保養事業       元気そうに見える子どもたちも、「福島じゃあ、放射能のせいで外であんまり遊べない」と、子供なりのストレスを心に溜めていたり、東京に一度転校して震災のことでいじめにあった話を聞いたそうです。これまでのストレスから解放され、福岡滞在中はのびのびと元気よく外で走り回っていた様子を報告いただきました。


最後に、福島で聞き取り調査を行った話を別の学生から報告いただき、福島の果物や野菜が風評被害を受けていることについて、現在出荷されているものは、厳しい検査を通過した物ばかりで、どこよりも安全だと話されていたことや、まだ、福島での震災はまだ終わっていない、そのことを忘れないでほしいという思いを伝えて頂きました。

これらの報告は、震災から2年経ち風化しつつある私たちの記憶に、震災当時の状況や、今も復興に向き合う被災地の現状を伝える機会となり、また、会員の方々に、これまでグラウンドワーク福岡が行ってきた被災地支援活動について改めて知っていただく良い機会となりました。

今年度も、グラウンドワーク福岡は、被災地に雇用の場をつくる取り組みへの協力を行ってまいります。皆様の、ひまわり基金へのご寄付も引き続き継続しておりますので、何卒、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

NPO法人グラウンドワーク福岡

福岡市にあるNPO法人。HUMAN LINK ~人と人とのつながりを通して誰もが幸せに暮らしていける22世紀の地域生活をめざします~ 環境改善・環境教育・福祉啓発・国際交流

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